FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

北海道胆振東部地震緊急援助

2018年9月6日未明、北海道厚真町を震源としたマグニチュード6.7の地震が発生し、広いエリアが激しい揺れに襲われました。最大震度は、北海道内での観測史上最大の7を記録、道内全域で停電に見舞われ、全壊・半壊の住宅は2,000戸を超えました。特に、震源地に近い厚真町と、その近くの安平町、むかわ町では、大規模な土砂崩れや地割れなどが生じ、家屋やライフライン、農林業関連の施設が大きな被害を受けました。

震災発生後すぐに避難所での必要物資の供給、道路や電気などインフラの回復、義援金の配布といった国や自治体等による対応が効率的に進み、FIDRとしては直後の緊急援助は実施しませんでしたが、震災から半年以上が経過し、被災地が表面上落ち着きを取り戻したころ、さらなる課題が浮上してきました。

【支援完了報告】

 2019年9月6日、震災から1年が経ちました。FIDRは、9月12日に厚真町、安平町、むかわ町を訪れ、各町のその後の様子や、支援先の近況を視察しました。支援先からは以下のような声が聞かれました。

「本州以南の仮設ではエアコンは標準装備だが、北海道では暖房機のみと国の基準で決まっており、エアコンをつけるには国や道の予算では対応できませんでした。また復興予算や義援金は使途が明確に定められているため、たとえ被災者が必要としているものであっても、当てはまらない用途には使うことができません。今年の夏は、30度を超える日が多く、9月に入っても暑さの厳しい日が続きました。仮設住宅への空調機の支援は住民からの要望が上がっており、本格的に暑くなる直前に配備でき、大変助かりました」(厚真町)

「もともと早来高校の校舎は住宅地から離れた高台にあったのですが、仮設校舎は住宅地の中に設けられました。同校の吹奏楽部は地域でも実力のある部活動ですが、騒音苦情が住民から出るため、窓を解放しづらく、夏季の練習が不安でした。そのため、空調機の支援は生徒に大変喜ばれました」(安平町)

「鵡川中学校の校舎は築10年ほどで建物自体への被害はありませんでしたが、備品類は多く損傷しました。部活動の器具類の回復のために生徒世帯から部費を払わせるのは困難であり、今回の支援は大変有難かったです」(むかわ町)

これをもって、支援活動を完了いたします。

厚真町長(写真右)より感謝状を受け取る岡田事務局長(写真左)

厚真町長(写真右)より近況の説明を受ける岡田事務局長(写真左)

本郷通り仮設団地内の談話室に設置されたエアコン(厚真町)

早来中学校の音楽室に設置された移動式エアコン(安平町)

「サンキュー・ベリーマップ」と名付けられた支援者の載った全国地図(安平町・早来中学校)

【支援内容】

2019年7月から8月にかけ、厚真町、安平町、むかわ町の要請を受け、以下の支援を実施しました。


<支援対象校および支援内容一覧>

支援地域 支援施設等 主な支援物品
厚真町 本郷小公園仮設団地、本郷通り仮設団地、鹿沼仮設団地 談話室用エアコン2台、居住者用エアコン(壁掛けタイプ4台、窓用タイプ43台)、風除室用網戸26台
安平町 早来中学校仮設校舎 移動式エアコン24台
むかわ町 穂別中学校、鵡川中学校、むかわ町 中学校部活動および町内のスポーツ活動用具103点

仮設団地の風除室に設置された網戸

早来中学校に設置された移動式エアコン

【現地調査】

2019年6月6日、FIDRは職員2名を被災地に派遣し、震災からの回復を後押しするため、この時点だからこそ必要とされる支援、行政が対応しづらい領域の支援を実施するため、厚真町、安平町、むかわ町での調査および協議を行いました。
 その結果、震災後初めて迎える夏季に向けた仮設校舎および仮設住宅等での空調設置、また学校の部活動器具への支援ニーズを把握しました。北海道や東北地方の建造物は寒冷地仕様で冷房設備がないところが多く、仮設校舎や住宅にはエアコンが設置されていませんでした。しかし、昨今の異常気象により夏季の気温が上昇する中、プレハブの仮設建造物への対応が急務であることがわかり、すみやかに支援の準備を始めました。

仮設住宅での生活が続く(厚真町)

早来中学校の仮設校舎(安平町)