カンボジア避難民緊急援助報告(第1報)
タイとの国境紛争により発生したカンボジア国内避難民への緊急支援を開始するためFIDRは、2025年12月に、バンテアイ・ミアンチェイ州とバッタンバン州内の4か所の避難所を訪れ、調査を行いました。この調査の際、初動対応として小規模ながら食料と生活必需品の配布を実施しました。
調査結果を踏まえ、2026年1月から2月にかけて、コンポンチュナン州、バッタンバン州、ポーサット州、シェムリアップ州の4州において本格的な緊急支援活動を展開しました。対象の避難キャンプは、遠方にあり支援が届きにくいところや規模が小さく見過ごされがちなところを重視しました。これらのキャンプに身を寄せている人々は依然として困難な状況に置かれています。さらに避難生活の長期化により、食料、衛生用品といった生活必需品が慢性的に不足しています。
FIDRは、米、缶詰、調味料、乾麺などの食料と、石鹸、シャンプー、洗剤などの衛生用品を1セットとして、1,142世帯に提供しました。

1世帯につき1セットの支援物資


支援物資を受け取った避難民たち
世帯ごとへの物資支援と並行して、それぞれのキャンプ全体にかかわる課題にも対応しました。衛生的な水を使用することが困難なキャンプでは、生活用水用タンクの設置を行いました。また調理用燃料の薪、シェルター用ブルーシート、文房具、漁網(生計手段)などを配布し、各地の状況に合わせた支援を行いました。

シェルター用のビニールシートの運び込み

設置した生活用水用タンク
FIDRのコンポンレーン郡農村開発事業で生産している「ふりかけ」を支援品に加えました。このふりかけは、燻製魚をベースに、人参、カボチャ、キャベツなどの野菜をすり潰して作られています。長期的な避難生活で不足しがちなカルシウムなどの栄養素を、手軽においしく摂ることができます。カンボジアの人々にはなじみのないふりかけですので、簡単な遊びを交えながらふりかけを紹介しました。

キャンプが設置されたお寺の僧侶にふりかけを紹介するFIDRスタッフ

ふりかけの紹介を笑顔で聞く避難民

ふりかけご飯を食べる避難世帯の子ども
2025年5月にカンボジア・タイ国境地域で発生した軍事衝突は、7月に入り民間人が巻き込まれる紛争に拡大し、その後10月には和平協定が結ばれ、沈静化への期待が芽生えましたが、12月にふたたび戦闘が再開され、多くの人々が避難を余儀なくされました。
12月27日に停戦合意が結ばれ、一時最大約65万人いた国内避難民は、2月現在10万人ほどに減少しました。
今もキャンプに残らざるを得ない人々は、自宅が破壊されたり、田畑を失ったり、村への立ち入りを禁じられたり、不発弾が残る危険地域に指定されたりと、帰りたくても帰れない事情があります。避難が長期化するにつれ、国内外からの支援も減少し始めています。避難民キャンプに残る人々は、不安な気持ちを抱えながら、厳しい生活を続けています。
FIDRは、今なお避難生活を続ける人々が取り残されることのないよう支援を続けてまいります。これまでご寄付をお寄せ下さった皆様に、心より感謝申し上げます。引き続き、カンボジア避難民への緊急援助募金へのご協力を賜りますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。
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※2026年2月 カンボジア駐在員・伊藤による避難民キャンプレポート動画第二弾はこちら
※2025年12月 カンボジア事務所・佐伯所長による避難民キャンプレポート動画第一弾はこちら