国境紛争により、カンボジアの一般市民55万人が避難

2025年5月にカンボジア・タイ国境地域で発生した軍事衝突は、7月に入り民間人が巻き込まれる紛争に発展しました。その後10月には和平協定が結ばれ、沈静化への期待が芽生えました。

しかし、12月7日、タイ軍によるカンボジア領内へのロケット弾砲撃や戦闘機による空爆が再び始まりました。被害はタイと接する7州で、国境から50㎞以上離れた地域に及び、民間人の死亡や負傷、住居、田畑などの喪失、市場や橋、学校などの破壊が広がっています。

自宅を離れて避難キャンプに身を寄せる人々の数は55万人に上り、1993年にカンボジア内戦が終結して以来、最悪の事態となっています。

FIDRは初動支援として、12月17～19日に米、調味料、缶詰、乾麺、石鹸、シャンプー、衣類をバンテアイミアンチェイ州、バッタンバン州の避難民キャンプに届けました。カンボジア政府やNGO、国内の企業・個人などからも様々な支援が寄せられ始めています。

本当に厳しくなるのは「少し先」だとFIDRは考えます

しかし、現地で調査をしたところ、避難民を取り巻く状況は非常に厳しいことが明らかとなりました。

・避難キャンプの規模や立地による、物資が集中する所と、届きにくい所との格差

・避難生活の長期化による、心身の疲労や栄養・健康の悪化、子どもたちの学業の遅延

・国内での支援キャンペーンの先細りへの懸念

物資が届きにくい所や、長期化によって生じる新たなニーズに対応した効果的な緊急支援を行うため、FIDRは調査を継続し、1月中旬以降から支援を実施する計画です。避難生活の状況やFIDRの支援活動の進捗については随時、報告いたします。

カンボジア避難民への緊急援助募金へのご協力を、どうかよろしくお願いいたします。

カンボジア事務所・佐伯所長による避難民キャンプレポートはこちら：https://youtu.be/h-jf6gfp4k0

※「募金の使途」は、「カンボジア避難民緊急援助」をお選びください。