カンボジア国境紛争による避難者の状況(調査報告第1報)
2025年12月7日からタイ軍によるカンボジア側の国境周辺地域一帯へのロケット弾砲撃や戦闘機による空爆が再び始まり、大勢の住民が国境地域から避難しました。その数は約63万人にも上り、1993年に内戦が終結して以来、最大の人道危機となっています。
FIDRは12月17日~19日に、カンボジア西部のバンテアイ・ミアンチェイ州とバッタンバン州内の4か所の避難民キャンプを回り、人々の避難生活の状況を調査しました。
大規模なキャンプの1つ、バンテアイ・ミアンチェイ州の市場には、2万人近くの人々が身を寄せていました。極めて多くの人々が集団生活をしていることで様々な問題が生じます。市場にあるトイレや水場の数は限られており、衛生環境は劣悪です。シャワーを浴びる個室もないため、女性は人前で衣服を身に着けたまま水浴びをしなければなりません。「いつも不安を感じています。特に私たち女性にとっては、知らない人との共同生活でのプライバシーと安全が気がかりです」との声がありました。
キャンプとなっている市場や学校などの施設に入りきれない人々も多くいます。国境付近から避難してきた夫婦はこう話します。「屋外で眠るのはとても辛いです。でも、空爆の音が聞こえる国境近くの自分の家にいるよりはここにいた方が安心です。」
中には、爆撃から身を守るため2日間下水管の中に身を隠していたという妊娠中の女性もいました。避難民キャンプにたどり着いた今でも不安は尽きません。「近所での爆発があり、粉塵によって息が苦しくなり喉も痛くなりました。安全な場所にたどり着きましたが、既に20日間が過ぎ、食料に200ドル(約3万円)を使いました。持っていたお金がほとんどなくなってしまいました。」
大規模な避難民キャンプには支援物資が集まりやすい一方、離れた場所にある小さなキャンプには届きにくいのも実情です。今も食料や衛生用品などに困りながらどうにか生活している人々がいます。この先、避難生活の期間が長引くにつれて、支援が先細りとなる懸念もあります。
FIDRは、このような支援が届きにくい場所や長期化によって生じるニーズに対応します。2026年1月現在、バンテアイ・ミアンチェイ州、ポーサット州、プレアヴィヒア州、シェムリアップ州、コンポンチュナン州の5つの州で、避難民への支援物資の提供を進めています。カンボジア避難民への緊急援助募金へのご協力 を、どうかよろしくお願いします。
※本記事は2025年12月時点の調査状況に基づくもので、現在は状況が一部変化しています。

食料配給に並ぶ人々

限られた調理器具を使って自分たちで料理する人もいます。

人々の生活空間のすぐ近くでゴミが燃やされていました。

多くの避難民が市場に身を寄せています。

屋根のない戸外での生活を余儀なくされる人もいます。