FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

スタッフブログ

2022年11月30日 更新担当者:神山奈々

カンボジア インターンシップ・レポ③ 「人を知ること」

カンボジア インターンシップ・レポ③ 「人を知ること」

こんにちは。東京外国語大学カンボジア語科3年の神山奈々と申します。7月28日より6週間、FIDRのコンポンチュナン州農村開発プロジェクトにインターンシップとして参加させていただきました。

カンボジアではお昼休みが長く、多くの人が昼寝をしていました。床で寝たり、細い棒の上で寝たりと昼寝の光景を見ることが面白かったです。私も毎日一緒に昼寝をしていたので、今でも13時頃になると昼寝をしないと気が済まない体になってしまいました。

インターンシップ全体を振り返ってみると、学んだことがあまりにも沢山あり、このブログに何を書くべきかとても迷いました。しかし、何がこの7週間を特別なものにしたのかを考えたときに頭に浮かぶものはいつも、そこで出会った「人」でした。今回は「人」をテーマに書いてみたいと思います。

まず、国際協力などにおいて外部者として介入する際に大切なのは、状況を知ることは前提として、「そこに住む人がその状況をどう捉えるか」だと思いました。例えば、洪水が頻繁に起こるエリアを訪問した際、「農家の人は洪水が起こると、その水により雑草が抜け、除草作業をする必要がなくなるため喜ぶのだ」ということを聞きました。私の中では、洪水は人々の生活に悪影響を与えるイメージしかなかったので、これを聞き、とても驚きました。このように、ある人にとっては問題であることも、他の人にとっては嬉しいことかもしれず、その逆もあり得ます。それぞれ異なる捉え方を持っているから人に聞くことは面白いです。「その人はその状況をどう捉えるか」という問いを常に大事にしたいと思います。

次に、私がお世話になったコンポンチュナンの農村開発チーム3人のメンバーを少し紹介します。

リーダーの女性はコンポンチュナン州出身なので、地元とそこに住む人に対する人一倍熱い想いがあるように感じられました。彼女から、人にまっすぐものを伝えることの大切さを学びました。彼女のような人を巻き込める力強さを身につけることは私の目標でもあります。

プロジェクト・ファシリテーターの男性は、毎週6時間程かけて通勤します。FIDRは家族よりも多くの時間を過ごす第二のホームだということを話してくれました。また、私のプレゼンテーションについて良い点も改善点も丁寧にフィードバックをくれ、1人のメンバーとして私に向き合って下さりました。

ドライバーの男性も、毎週6時間以上かけて通勤します。彼はよくジョークを言って空気を和ませるような優しい方でした(ジョークはほとんど理解できませんでしたが)。私が現地の方の言葉を聞き取れないときには、すぐに英語に訳してくれました。いつも周りの人のために動いてくれます。

このような素敵な方々とお仕事をさせていただけたことをとても嬉しく思います。コンポンチュナンだけでなく、FIDRにはカンボジアのために一生懸命働くカンボジア人が沢山いらっしゃいます。さらに、FIDRだけでなく、カンボジアでは、より暮らしやすい場所にするため、奮闘するカンボジア人に沢山出会いました。

色々な人と出会ってそれぞれの人の想いを知ることは、こんなにも楽しいことなのだと改めて気づきました。そして、聞いてみないとわからないことが沢山ありました。もちろん、聞いてみても言語の壁により理解しきれなかったことや、聞いてすらいないことも沢山あります。私が知っていることはごく一部なのだと実感しました。

きっと、日本でも同じことが言えるのだと思います。長年いる場所、長年一緒にいる人だと知った気になってしまいます。だからこそ、たまにきちんと周りの人のことを知ろうとする気持ちを思い出したり、直接聞いてみる、話してみるということを大事にしたいです。

FIDRでインターンシップをしたから出会えた人、経験できたことが沢山あります。
本当にありがとうございました。
今回カンボジアで出会った方々とのご縁は今後も大切にしていきたいと思います。

(写真)現地のスタッフと共に。右から2人目が神山さん

2022年10月12日 更新担当者:徳永咲希

カンボジア インターンシップ・レポ② 学校訪問から感じたFIDRの支援

カンボジア インターンシップ・レポ② 学校訪問から感じたFIDRの支援

スオスダイ、熊本県立大学総合管理学部3年の徳永咲希と申します。
9月に、カンボジアの栄養教育事業にインターンシップとして参加させていただきました。

その中で、生徒と一緒にごみ問題へのアプローチを考えるために小学校を訪問した日のことが印象的でしたのでご紹介します。

カンボジアではごみ問題が深刻化しています。
そこでFIDRでは、コンポンチャム州でターゲットにしている学校において、生徒が主役となって、ごみの分別やリサイクルなどの正しいごみの処理や削減を実践できるような取り組みを後押ししています。

その日の訪問では、学校内のごみ管理の状況を確認したり、今後の進め方について学校側と議論する場を持ちました。

小学生の生徒会の皆さんとの議論では、学校のごみを減らすために、「他の生徒にも声をかけたい」、「自分たちが手本となる行動をする」など活発に意見が飛び交いました。普段、身近にごみが散らばる環境で生活しながらも、学校をキレイにすることには関心を持ちながら学校生活を送っていることがよく分かる印象的な時間でした。

もう一つ、学校訪問と議論の見学を通して感じたことは、「効果は三者三様」だということです。
仮に先生たちが同じ研修を受けたとしても、全ての学校で同様の取り組みが成功して同様の結果が得られる訳では無いということです。
例えば、ごみについての研修を受けたという、各校の校庭を眺めてみたとき、ごみが散らばっている学校もあれば、綺麗に清掃されている学校もありました。

この違いを目の当たりにした時、FIDRの支援は一方的な「正しさの押し付け」ではなく、あくまでも学校側の「自発性を待つ」ことから、問題解決の糸口を探るスタンスなのだと感じました。

支援の方法として、やるべき事・あるべき姿を示し、受益者に全くその通りにさせるやり方もありますが、FIDRの支援はそうではないと感じました。
初めに行動指針を示し、当事者が自ら考えて判断・実践する機会と時間を設け、定期的な訪問を通じて経過を観察しながら、各校の課題に向き合う、というサイクルで「見守りながら、必要な時に持続的なサポートをすること」が、FIDRの支援の根幹なのだと感じました。

今後、カンボジアのごみ問題への取り組みが進み、「与えるだけでない支援」の価値が表出していくことが楽しみです。

短い間でしたが、FIDRの事業に関わるカンボジアの皆さんの働きぶりから得た学びを、今後の人生に活かしていきたいと思います。また皆さんと関わる機会を待ち望んでいます。本当にありがとうございました。オークンチュラン。

(写真)カンボジア コンポンチャム州の小学校にて。右端でメモを取っているのが徳永さん

2022年09月15日 更新担当者:神山奈々

カンボジア インターンシップ・レポ① 農家の方々にとっての大切な居場所

カンボジア インターンシップ・レポ① 農家の方々にとっての大切な居場所

こんにちは。東京外国語大学カンボジア語科三年生の神山奈々と申します。
7月28日からFIDRのコンポンチュナン州農村開発プロジェクトにインターンシップとして参加させていただきました。

インターンシップ期間中に滞在した、コンポンチュナンでの私の日常を少しだけ紹介します。まず、朝、靴を履こうとすると高確率でカエルが中にいます。最近は、靴を履く前にカエルがいないか確かめる習慣がつきました。少し進むと国道に出て、そこを進んでいくとオフィスにたどり着きます。ちなみに、夕方17時半くらいに牛の大群が国道を渡るので、その時間に合わせてオフィスを出たりします。同じ道を通っていても新しい発見の連続でワクワクする毎日です。

今回は色々参加させていただいている活動の中でも、農民組合の研修についてレポートしたいと思います。

研修は今年1年で10回、それぞれ3日間かけて行われるものです。農民組合として安定した収入を得られる状態にすることが生活水準の向上に繋がります。それをサポートするために、組合メンバーの学びの場を提供しています。今回私が参加した研修のトピックは「地元の農産物のマーケティングについて」でした。
FIDRのメンバーは、ファシリテーターとして研修のセッティングや進行を担っています。研修といっても、何かを教えるよりも、参加者がディスカッション等を通して考え、考えたことを共有して学びを深めていくという時間でした。

ここで私が感じたことは、この農民組合は農家の方々にとっての大切な居場所になっているということです。

その1つの要因としてお互いの存在を認め合う空気があるということが挙げられます。 例えば、トレーニング中は頻繁に拍手をしていました。誰かが意見を言うと必ず拍手で盛り上がります。些細なことかもしれませんが、人への称賛を拍手という行動で示すことで、声を出しやすい雰囲気が作られていると感じました。

組合メンバーの中には学業を小学校、中学校で終えている人もいます。私が話を聞いた方は、「FIDRの研修に参加する前は何の知識もスキルもなく、村の中でも劣等感や孤独感があった。今このメンバーは兄弟、姉妹みたいだ。」と話していました。様々なバックグラウンドを持った人が集まり、お互いを認め合える居場所になっていることは、FIDRと組合メンバーの人々が作り上げてきた農民組合の価値のひとつだと思います。

これまでの5週間を通して、本当にここでしかできない貴重な経験をさせていただいていると感じております。お世話になっている方々への感謝の気持ちを忘れず、最後まで新しい発見や気づきを掴みにいきたいと思います。

(写真)農民組合のマーケティング研修に参加する神山さん(左から2人目)
(注)この記事は、9月初旬に執筆されました

2022年05月23日 更新担当者:杉田真央

ネパールで新しいプロジェクトが始まるまで

ネパールで新しいプロジェクトが始まるまで

昨年12月にネパール事務所長に就任した杉田です。今年2月、ネパールで新しい地域開発プロジェクトが正式にスタートしました。対象地は、エベレスト近くの山岳地帯にあるソルクンブ郡とオカルドゥンガ郡で、FIDRにとって初めてプロジェクトを行う地域です。今回は、現地で活動を始めるまでに準備したことをご紹介します。

まずは、活動拠点となる事務所の設置です。プロジェクト地の両郡までは、FIDRネパール事務所がある首都カトマンズから車で12時間以上もかかるため、各郡に一つずつ事務所を構えることにしました。トラックで机や椅子、棚、カーペットなどを事務所に運びましたが、事務所の前は道が舗装されてないため、車やバイクが通る度に砂ぼこりが舞います。全身砂まみれになりながら、また時には停電になり、スマートフォンの明かりを頼りにしながら作業を行いました。無事に事務所が整った時には、スタッフ皆で思わず炭酸飲料で祝杯をあげました。

次は活動を始めるために、各村の集会場に住民を招いてワークショップを開催しました。 このワークショップでは、FIDRと住民が互いに理解を深めるために、FIDRからの自己紹介やこれから始めるプロジェクトを紹介するとともに、住民たちから日々の暮らしについて話してもらいました。ワークショップの最後に、村長とFIDRから「このプロジェクトを成功させるためには、みなさんの協力が不可欠です。みなさんの日々の暮らしにポジティブな変化を起こすべく、一緒に頑張りましょう」と声をかけると、住民のみなさんに笑顔がみられました。

当日、ワークショップ会場まで徒歩1時間かけてきてくれた人も少なくありません。このような山岳地帯にある村々では、水の確保も容易ではなく、電気も安定していません。プロジェクトを成功させ、人々の暮らしを向上させるためには、これから多くの壁を乗り越えていく必要があります。 プロジェクトに関わる職員一同、現地の行政職員や住民と力を合わせて、これから力強く前に進んでいきます。

2022年02月25日 更新担当者:ロクヴッ・ラタナ

新病棟の建設を終えて

新病棟の建設を終えて

カンボジアから、こんにちは!私の名前はロクヴッ・ラタナです。カンボジア北東部のクラチェ州に住んでいます。現在、クラチェ州における小児外科支援のプロジェクトファシリテーターを務めています。

昨年、FIDRはクラチェ州病院の外科病棟と産科病棟の新築を支援しました。私は工事の進捗確認、クラチェ州病院と施工会社との調整を担当しました。設計段階から病院関係者と「安心安全な診療を行うために、どんな病院にしたいか」「患者にとって快適な病院にするためにはどうしたらいいか」、話し合いながら病院の仕様を一緒に考え、図面を作成しました。着工後も毎月、病院関係者、施工会社、FIDRの三者で品質管理や進捗状況を確認しながら、建設を進めました。

建設にあたり、様々な課題に直面しましたが、今回はその一つを紹介します。それは、建設が進む中で、クラチェ州病院から「産科病棟の病室には、窓を2つ付けたい」「滅菌室に換気扇をつけてほしい」など、当初の計画にはなかった要望があがってきたことです。いくら丁寧に進めていても、現物ができてから気づくこともあることを実感しました。私は彼らの要望を受け止め、その必要性を理解したうえで、FIDRの他のスタッフや施工会社と相談しながら、一部図面を変更し建設を進めました。

このようにして進めてきた新病棟建設は、昨年10月に完了しました。11月下旬からは、患者の利用もはじまりました。患者も病院スタッフも新しい治療環境に満足してくれることを、また、新病棟を清潔に保ち、きちんと管理をしていってくれることを願っています。

今回の建設は私にとって初めての経験でしたが、多くの学びがありました。建設の目的を明確にし、利用者のニーズと合う計画を作っていくことの大切さも、その一つです。建設に限らず、今後も、医療関係者や患者のニーズに沿った活動の実施を心がけていきたいです。

病棟建設がひと段落したことから、これからは、病気や怪我の子どもを保健センターから州病院へ搬送する仕組みの改善にこれまで以上に力をいれていきます。子どもが最初に受診するのは保健センターです。そこで保健センターと良好な関係を築き、共に地域住民に子どもの外科疾患について情報を伝えていきたいです。外科治療が必要な子どもの患者が、州病院で適切な治療を受けられるようになることを願っています。

最後になりますが、このような私たちの取り組みにご協力くださっている皆様に、心より感謝申し上げます。

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