FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

スタッフブログ

2016年12月22日 更新担当者:佐伯

とある風景

とある風景

10月からFIDRカンボジア事務所に着任しました、佐伯風土です。

この写真はプノンペンの、とある風景です。
みなさんはこれをご覧になってどんなことを感じますか?

「電車は来ないのかな?」
「右側に行くとどうなってるんだろう?」
「正面の線路はあのタワーの足元につながってるの?」

通り過ぎてしまいそうな日常の風景も、立ち止まってよく見てみると、たくさんのふしぎが浮かんできます。私たちにとってはふしぎなことでも、そこにいる人たちにとっては当たり前のことかもしれません。

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まず最初に「この線路に電車はこないのだろうか」と思いませんでしたか?
ここの日常を知らない私たちは想像すると、心配になってしまいますよね。

誰かにとっては当たり前のことも、知らない人には、とてもふしぎに映ります。そんなときは、勇気を出してきいてみるとたいていは答えを教えてくれます。ときには、思いもしなかった答えが返ってくることも。
すると、世界がひとつ増えたような気がしてなんだか嬉しくなるものです。

例えば「どうして道には、いつもゴミが散らかったままなの?」とあなたが聞いたとしましょう。(←路上には、いつでもどこでもゴミが沢山落ちたままなのです。)あなたの目の前にいる人は「え、なんで(そんなこと聞くの)?」と不思議な顔をするかもしれません。と同時に、なんでこうなっているのかちょっとだけ考えてくれるかもしれません。

ふとした疑問や、ふわふわした想像を誰かと交換しあうと、それまで当たり前だと思っていたことがすこし違って見えてくることがあります。私もこれまでは、この見慣れた風景を「おもしろい場所だな~」と思うだけで通り過ぎていましたが、こうやって写真でまじまじと見ると、CGの合成のように思えたり、タワーがシン・ゴジラにも思えたりします。なんでわざわざ線路の上でくつろぐんだろう??と思ったりも。

新たな視点や発見がでてくるとただの見慣れた風景が、ただの風景ではなくなります。まるで、星の王子さまとキツネが、それまではなんでもなかった相手の存在が絆を結ぶことでかけがえのない友達になったのと、どこか似てますね。

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私がカンボジアで生活するのは実に15年ぶりです。

こちらに赴任する際、「今はものすごく発展してて驚くよ!」とたくさんの人に言われました。たしかに見た目には、当時と比べ物にならないほどの質的・量的な変化があり、生活スタイルの多様化が人々を楽しませています。高層ビル、巨大電子公告、こじゃれたカフェやレストラン、日本のショッピングモールの進出、スマホ(どこでも自撮り、すぐにフェイスブックに投稿)など。人々の行動様式が「選ぼうにもこれしかない」だったところから、「選択肢の中からこれを選ぶ」に劇的に変化していました。

赴任直後はその変化に何度も驚かされましたが、それでも「目には見えないカンボジアのいいところは変わってないな。」と感じます。冒頭の線路の風景は「発展したものと、変わらないもの、どちらも今のカンボジア」と教えてくれているようにも見えます。
その両方に目を向けたとき、大事なことが見えてくるような気がしています。


ちなみに、この線路に電車は・・・たまに来ます!
電車が来たら避け、過ぎたらまた線路に戻ることが人々の生活の一部になっているようです。

2016年10月17日 更新担当者:小山

どすこいっ

どすこいっ

最近、カンボジアの街中でやたらと目につく看板がこれ。(写真はカンボジア東部の クラチェ州で撮影。)

大きな看板には仁王立ちの力士。その手にはこれまた巨大なアイロン。
そして吹き出しには"Free WiFi"の文字。

いったい何のお店?
ネットカフェ?それとも、ちゃんこ鍋屋・・・?
日本人ならずともこの看板は気になります。

実は、こちらの看板を掲げているのは、モダンランドリーというフランチャイズのクリーニング店。店の中には新しいドラム式の洗濯機が並んでいます。コインランドリーではなく、お店に洗濯物を預けて洗ってもらうタイプです。

かつてはカンボジアの街角にはいたるところに手描きの看板があり、しかもその絵が素朴(というか稚拙)で、そこに得も言われぬ味わいがあって見ていて楽しかったのですが、経済が発展するに従い、看板もコンピューターを使った洗練されたものになってきて、何か物足りなくなってきていました。

そうした中、この「お相撲さん看板」は久々にこの国の看板見物の楽しさを思い出させてくれました。明らかに合成写真ですが、いくら何でもアイロンが大きすぎます。そのアンバランスさが秀逸!しかも、Free WiFiってつぶやいているように見える・・・。いや、そもそも、こんな不機嫌な表情の看板ってどうなの?

カンボジアでクリーニング店というと、以前は個人経営の零細ビジネス代表といった存在でした。しかしこのモダンランドリーは、看板のインパクトで集客し、ネットも使えるサービスで、今では全国で200店を超える規模になっているとのこと。果たしてどれだけのお客さんがクリーニング店の無料インターネット接続を利用するのかは定かではありませんが、ともあれひとつのビジネスモデルとして成功していることは間違いなさそうです。

でも、実は本当に店の奥にお相撲さんがいて、大きなアイロンでせっせとアイロンがけしていたら...と私はつい想像してしまいます。ふんわり仕上げではなくて、ぺらっぺら仕上げになるでしょうね。きっと。

2016年09月12日 更新担当者:杉田

ソパールさんの新たな挑戦

ソパールさんの新たな挑戦

コンポンチュナン州における食料不足の緩和を目指した「コンポンチュナン州農村開発プロジェクト」に昨年末よりドライバーとして加わったソパールさん。その明るく優しい性格でたちまち事務所のムードメーカー的存在となり、ドライバーとしても、村の道を詳細に把握して日々私達を安全に目的地へ送り届けてくれるその仕事ぶりに、スタッフから厚い信頼が寄せられています。

ある日の夕方、帰り際にFIDRコンポンチュナン事務所の駐車場を見ると、いつものように車を洗っているソパールさんのそばにニワトリが10羽いるのを見つけました。

驚いてどうしたのか尋ねると、ソパールさんは照れながら話してくれました。
「今までは家族に養鶏をできる人がおらず、家で鶏肉を食べられる日は年に数回しかなかったんだ。でもFIDRの農業技術研修にドライバーとして同行するうちに『養鶏技術を学んで二人の息子たちにもっと鶏肉を食べさせてあげたい』と思うようになったんだ。それから仕事の合間に他のスタッフや農家の人たちから養鶏技術について色々と教えてもらって、ついに今日、実践のため鶏を購入して、これから家に連れて帰るところなんだ。」

ソパールさんが養鶏技術を身につけ家庭で鶏を育てられるようになれば、頻繁に鶏肉が家庭の食卓に並び家族の栄養バランスが改善されるだけでなく、余った分は販売することで収入向上の面でも期待ができます。

本プロジェクトの対象者は同地域に住む農家ですが、こうした思いがけないいわば"身内"へのポジティブなインパクトに、スタッフ一同日々の活動に向けて背中を押されたように嬉しくなりました。

ソパールさんにはもうすぐ三人目の子どもが産まれます。本プロジェクトの発展とともに、養鶏によって彼の家族が十分かつ栄養のある食事を摂ることができるようになることを、これからも応援していきます。

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