FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

ベトナム少数民族地域活性化のための観光開発

文化と自然に調和した観光で村おこし
2017年8月9日

観光都市ホイアンで「ザ・カトゥー・ナイト!」が開催されました

最後には観光客と一緒にカトゥーダンスを楽しみました

ベトナム中部にある世界遺産の街ホイアンは、中部最大の都市ダナン市から近く、夏休みシーズンは日本からの観光客も多く訪れる人気の観光スポットです。このホイアンでベトナム中部山岳地域に暮らす少数民族「カトゥー族」の伝統文化を紹介するイベント「ザ・カトゥー・ナイト!」が6月から8月の間、月1回開催されています。

当イベントは官民連携協力活動の一つとして、クァンナム省文化・スポーツ・観光局が音頭を取り、省観光振興センター、世界的に著名な写真家であるMr. Rehahnが開いている「Precious Heritage Art Gallery Museum」、ホイアンの5つ星ホテルの「アナンタラ」、そしてFIDRが協働しています。2回目となった7月の開催では、ナムザン郡の北側に隣接し、ラオスとの国境地域にあるタイヤン(タイザン:ハノイ読み)郡のカトゥー族ダンサーズが登場しました。FIDRはイベントの実務責任を担い、カトゥー族の意見を取り纏めて行政とやり取りをするなど、彼らが舞台に立つまでの全工程を共にし、サポートしました。

FIDRは、2012年から4年間、ナムザン郡タビン社のカトゥー族と共に地域活性化のための観光開発事業を行いました。そのプロジェクト期間中の2013年から、タビン社のカトゥー族ダンサーズが毎年8月に開催される「ホイアン日本祭り」で踊りを披露し、観光客にも大変好評でした。本年は当イベント以外にダナンで開催された「日越交流フェスティバル」にも参加し、徐々に少数民族カトゥー族の認知度も向上してきました!

当日は伝統舞踊のほか、カトゥー織を始めとする伝統工芸品や本プロジェクト内で発掘・製作された商品も販売され、カトゥー族や彼らの居住地域、独自の伝統文化についてホイアンの人々や国内外からの多くの観光客に知ってもらう機会となりました。なお、当日の様子は多くのメディアにも取り上げられました。

2017年8月8日

新商品が続々と開発されています

新商品の品評会の様子

ナムザン郡では本プロジェクトを通して商品価値のある品々が開発されています。その中の一つにタヴァク(Ta Vac)を利用した商品があります。タヴァクはヤシ科の木で、ナムザン郡ではその果実の房から採れる汁を発酵させてダヴァク酒をつくる風習があります。FIDRはダナン市食品技術専門学校と協力し、このタヴァクの樹液を利用した、お酢とドレッシングを開発しました。

6月、プロジェクト管理をしているナムザン郡の事業管理委員会との会合で、これまでに開発された商品の試食および品評会が行われました。特に関心を集めたのはタヴァクの開発です。ナムザン郡の科学技術局の副局長は「これまでにもダヴァク酒の商品開発を試みたが、難しく成功しなかった。これは実に見事な成果だ」と試作品の完成を喜びました。

品質は良いものの、今後は保管期間を延ばす工夫や誰がどのように作成し、衛生管理を担っていくのか等、商品つくりの仕組みを強化していきます。まだまだ課題も多いものの、自治体も住民もやる気に溢れているので、今後が非常に楽しみです!

各地域で定期的に開催されている研修では初期段階からリーダーの育成に力を注ぎ、非常に積極的かつ情熱的なリーダーが育成されつつあります。今後も行われる宝探し・宝磨きのための研修に多くの住民が参加し、住民主体による地域おこしが進められることを願っています。

2017年5月26日

おばあちゃんに続け!

ナムザン郡でもレアな「かすみ(しぼり)」の技術を持つおばあちゃん

「ナムザン郡地域活性化」プロジェクトでは、地域の宝さがしが始まっています。先日、ナムザン郡内の対象地域の社*を代表する人たちが集まり「宝物リスト」を作ったところ、200近いアイテムが出てきました。参加した人たちの様子を見ると、童心にかえったように楽しそうです。

さて、FIDRがずっと懸念していたことがあります。今から数年前に実施した「ベトナム少数民族手工芸支援」プロジェクトのころ。織り手が少なくなった伝統織「カトゥー織」の技術を後世に伝えるべく立ち上がった女性たちをFIDRは支援していましたが、そこである情報を手に入れます。より山深い地域に、遠い昔より綿花を栽培し、天然染色を行い、ナムザン郡でもレアな「かすみ(しぼり)」の技術を持つ女性がいる・・・と。しかもその女性はすでに高齢で、外国人も入れない国境に近い山岳地で暮らしているというのです。

「このおばあちゃんがいなくなったらどうなるの?」FIDRはそんな不安を抱きつつも、まずは伝統を継承させるために先に動き出した若手の女性にカトゥー織の織り方を習得してもらうことを優先させ、少数民族の女性による協同組合もつくりました。

そして数年たった今、地域で実施したこの「宝さがし」を通じて、以前はほぼ興味を失っていた女性たちが「おばあちゃんが宝物だ」と感じてくれ、綿花の伝統栽培および染色技術を直接学びたい、と言ってくれたのです!FIDRは嬉しくて泣きたくなりました。

おばあちゃんもまだご健在。とはいえ時間が限られる中、彼女たちの伝統を受け継ぐチャレンジが始まりました。「伝統を途絶えさせまい!」と、おばあちゃんと同じ村に住む彼女たちは、熱心におばあちゃんの家に通い、現在その技術を自主的に学んでいます。

さぁ、「おばあちゃんに続け!」

*社:「村」の上位行政単位

伝統技術を若者に伝えるおばあちゃん

2017年4月13日

松阪市の皆さんがプロジェクト地を訪問してくださいました

松阪市の皆さん。市を代表する「松阪木綿」を着用されてお越しくださいました

「ナムザン郡地域活性化支援」プロジェクトでは、地域の宝さがしが始まり、次々と住民グループが立ち上がってきています。そんな「宝さがし」に一役買ってくれているのが、ツアーに参加してくださっている観光客の皆さんでもあります。

2月には、「木綿」で知られている三重県松阪市から、市の観光課の方をはじめとし、松阪木綿の織り手さんや販売店の皆様が、ナムザン郡の少数民族により結成された織り手グループのもとを訪れてくださり、カトゥー族、タリーン族によるそれぞれ独自の染色や織物の手法について体験されました。日本からの織物グループのツアーとのことで、当日はナムザン郡全体から、カトゥー族だけではなく、タリーン族さん達も集まり、まるでナムザン郡と松阪市の織物サミット!普段なかなか体験できない「異文化交流」を、お互い楽しんでいらっしゃいました。

国は違えど、さすがは織物の織り手さんたち。言葉は通じず、ジェスチャーを交わしながらでしたが活発なコミュニケーションを行っていました。織物のプロ同士の交流ということもあり、お互いに何かを感じる時間でもあったようです。

松阪市の皆さんがお帰りになられた後、ある女性がやや興奮気味に話し出しました。「ナムザン郡のカトゥー族をはじめ、タリーン族、ヴェー族さんも一緒になり、今後それぞれの独自の染色や織物をさらに向上していこう」。その場で話を聞いていた人たちも共感し、いつかはナムザン郡全体の織物ネットワークを立ち上げようという話にまで発展しました。

やはり少数民族の代表的なものは織物であると感じつつ、女性たちの行動の早さにも驚かされた日となりました。

2017年1月11日

ダナン市においてナムザン郡農産物の販売がスタートしました

ダナン市内にあるオーガニックショップの「カトゥー・ナムザン農産物」コーナー

2016年3月に完了した「ベトナム少数民族地域活性化のための観光開発」プロジェクトでは、「地域の宝もの探し」活動を通して数多くの商品価値のある品々が発掘されてきました。その後続事業である「ナムザン郡地域活性化支援」プロジェクトがナムザン郡を対象としていよいよ始まり、地域の特産品となる可能性のあるものの販売を試験的に始めました。

今回協力してくれたのは、ベトナム事務所があるダナン市にあるオーガニックショップ。経済がよくなるにつれ健康志向のベトナム人も増え、有機栽培など農薬を減らし環境や人に配慮して育てられた農産物は高価でも売れるようになり、市内にも有機野菜販売店が数多くみられるようになりました。

栽培方法なら大自然の中で育ったナムザン郡の農産物は無農薬で一級品!です。「カトゥー・ナムザン農産物」コーナーを設け、別のプロジェクトで普及をしている「SRI農法」で栽培された米10袋、山岳地の丘で自然栽培されている陸稲米10袋、そして自然栽培の豆30袋を店内に置かせてもらったところ・・・なんと即完売!すでに追加注文をいただいています。

幸先の良いスタートで、事業関係者もスタッフも次なる特産品探しに意欲的に取り組んでいます!

SRI農法で栽培された米、陸稲米、5種類の豆を試験販売しました