ベトナム・ダナンでの生活を通して感じた人々の温かさ
私は8月末から約3週間、ベトナム・ダナン事務所でインターンをしました、宇都宮大学国際学部2年の黒澤桜子です。海外渡航は二度目でしたが、日本から一人で海外へ向かうのは初めての経験でした。渡航初日は、日本とはまったく異なる景色や空気に圧倒され、不安でいっぱいでした。しかし、その不安を「安心」や「楽しさ」に変えてくれたのが、ベトナムの人々の“温かさ”でした。今回は、インターン期間中に私が強く感じたその温かさについてお話ししたいと思います。
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インターン中の昼食は、FIDRベトナム事務所のスタッフの皆さんが毎日バイクに乗せて連れて行ってくださいました。「今日は何が食べたい?」と色々な選択肢を教えてくださり、昼食の時間が毎日の楽しみでした。ご自身のお弁当や果物も「これ食べてみて」と分けてくださり、緊張してなかなか話せなかった私に、積極的に話しかけてくださったおかげで、少しずつ居心地の良さを感じるようになりました。
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スタッフの皆さんが連れて行ってくださったからこそ、さまざまなベトナム料理に挑戦し、楽しむことができたのだと思います。みんなでご飯を食べ、ときにはデザートを食べながら休憩した時間は、とても温かく幸せなひとときでした。

ベトナム中部のローカルフード Cơm Hến(コムヘン)を食べに連れて行ってくださいました。
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次に、FIDRが行うプロジェクトのひとつ、ベトナム中部少数民族ツアーへの参加を通して感じたことです。このツアーは、少数民族の人々が自ら開発・運営し、地域の文化を守りながら観光による発展を目指す取り組みです。
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私はインターン中に4つのツアーに参加しましたが、どの村でもまず感じたのは、人々の“温かさ”でした。その日初めて出会った私たちを、村の皆さんは家族や友人のように迎えてくれました。最初、言語が通じないなかでどのように生活文化を教えるのだろうと疑問を持っていましたが、実際に機織りやビーズアクセサリー作り、ちまき作りなどを教えていただく中で、言葉がわからなくとも一緒に楽しむことができるのだと実感しました。

少数民族ツアーで訪れたカヨン族の皆さんと伝統的なビーズアクセサリーを作りました。
(写真で身に着けているネックレス・ブレスレット)
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丁寧に教えてくれたり、困っているとそっとアドバイスをくれたり、何も言わずアクセサリーをプレゼントしてくれたり…。そのさりげない思いやりは、どれも心に残っています。たとえ数時間の関わりでも、別れ際には帰りたくないと感じ、村にどこか懐かしさを覚えるほどでした。村の皆さんが家族のように温かく迎えてくださったからだと思います。

少数民族ツアーで訪れたカトゥー族の皆さんが最後まで温かくお見送りしてくださいました。
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滞在したホテルでは、受付の方々が毎日笑顔で挨拶してくださり、安心して過ごすことができました。洗濯を何度も頼んでいた私に、「友人が洗濯屋をしているから安くできるよ」と紹介してくれ、連絡先まで交換して親切にしてくれました。最終日には一緒に朝食を食べようと誘ってくださったり、体調を崩したときはご飯や薬の心配までしてくださったりしました。清掃スタッフの方も、日本語で挨拶してくださるとともに、気さくに話しかけてくださいました。
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また、道端のバインミー屋さんに一人で入る勇気が出ずに戸惑っていたとき、お店の方が迷っている私に笑顔で話しかけてくれ、メニューを説明してくださいました。その優しさがとても嬉しく、そこからさまざまなお店に入れるようになりました。
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この経験を通して、私は“言葉が通じないこと”を大きな壁だと捉えすぎていたことに気づきました。実際には、お互いに歩み寄ろうとする気持ちがあれば、その思いは伝わり、いかなる形でもコミュニケーションはできるのだと実感しました。
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ここで紹介したのは、私が感じた温かさのほんの一部です。言語や食、宗教などの文化が異なる世界でも、「人の温かさ」は共通していることを学びました。ベトナムの方々からいただいた優しさや温かさを、今度は私が誰かに伝えられるよう、これからも人とのつながりを大切にしていきたいと思います。