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月夜の不思議な出会い

ブログを書いたスタッフ

#海外駐在員

杉田真央

ネパールに駐在して、もうすぐ一年になります。
この一年、初めての国で、お互いをまだよく知らない仲間たちと向き合いながら、事務所運営や事業運営にと、試行錯誤しながら必死に駆け抜けてきました。
知り合ったネパール人に「君は観光じゃなくて住んでるんだね。じゃあこれまでネパールのどこに行ったの?」と聞かれても、観光地らしいところにはまだ一切足を運べておらず、気付けば首都カトマンズと出張で行くネパール東部の事業地のみ。そう白状すると大抵の場合「なんで!もったいない!」と呆れられ、「君は次の休みに〇〇へ行くべきだ」と今後の旅行先についてのプレゼンが始まります。
仕事外でネパールという国を知りたいと思う余裕がこの一年はほとんどなかったのです。

ただ、そんな日々の中でも、ふとした出会いが、仕事ばかりで視野が狭くなりがちの私をぐいっと引っ張り上げ、ネパールという国の面白さを再認識させてくれることがありました。

例えば、ある冬の日の夜道、私は疲れを感じながら家に向かって歩いていました。
すると正面から歯磨きをしながら真っ白な猫を抱えて歩いてくる女性に出会いました。
…想像できますか?なかなか出会うことのないシチュエーションですよね。
私は思わず立ち止まり、頭の中で「え、どういうこと…?」と目で追っていると、彼女も私に気付き、ふふふ、と恥ずかしそうに笑い、彼女のチャーミングさに私も自然と笑顔になり、互いに挨拶をかわしました。
電灯の少ないネパールの暗い夜道では、彼女の腕の中にすっぽり行儀よくおさまる白い猫はまるで自ら発光しているかのようでした。ネパールでは猫は不吉とされることがあり、犬に比べるとさほど大事にされませんが、ネパールの猫には珍しく首輪もつけていたし、白い毛も綺麗に白いままだったので、きっと日頃から可愛がられているのでしょう。
そしてそんな猫を大事そうに抱えながら、なぜか口元には歯ブラシをくわえて、しかも暗い夜道を歩いている若い女性。
頭に浮かぶいくつもの謎の真相を明らかにすることもできたのかもしれませんが、多くの場合、話を聞いても結局謎が残る、というのがネパール。謎は謎のまま、そういうものなのだと受け入れることもネパールらしいと思い、真相は聞かずにそのまま笑顔で別れました。
月夜の不思議な出会いに疲れていた心がほぐれるとともに、面白いなぁ、ネパールという国のこと、ネパールの人のことをもっと知りたいなぁと思ったのでした。

こうした出会いがある度に、私にはまだこの国の見えていないところがきっとたくさんあるのだろうな、と気付かされます。きっと、まだまだ一部しか見えていない。
駐在二年目は、もっとネパールという国を体全体で感じ、ネパールという国のこと、人のことを、もっと深く知っていきたいです。

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