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学校イベントを通して食育を!~その1:背景と開催に至るまで~

FIDRカンボジア事務所栄養専門家 甲斐 永里

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「食育の日」イベントに向けて話し合いを重ねるスライセントー中・高等学校の生徒とFIDRスタッフ

日本の学校では、文化祭や運動会をはじめ、1年を通して様々な学校行事が行われますが、カンボジアの学校では、一般的にそのような行事はほとんど行われていません。また、入学式や卒業式などの式典もなく、授業参観もないため、保護者が学校に来ることも滅多にありません。それどころか、保護者が学校に行く際は、生徒が問題を起こした時だという認識があり、あまり良くないことだと捉えられています。学校と保護者や地域の人たちの敷居を低くし、地域全体でより良い学校を作り、食や健康への意識を高めていけるようにするための第一歩として、2月23日、皆で楽しめる「食育の日」という学校イベントを開催しました。

このような、栄養や健康をテーマにした学校イベントを実施するのは、FIDRのモデル校*でも初めてのことです。そのため、昨年から何度も学校と話し合いを続けながら準備をしてきました。4つのモデル校全てで開催することは難しいため、まずは、その中で一番大きな規模であるスライセントー中・高等学校で開催することになりました。もちろん、FIDRが学校のために実施するのではなく、学校の校長や教員、生徒たちが中心となって企画や準備などを進めていけるよう、サポートしてきました。文化祭や運動会など、学校行事というものを体験したことのない校長や教員たちにとっては、実施にあたり、最初はとても不安に思う気持ちが強く自信がない様子でした。それでも、日本や他国での様子を写真や動画で見たり、何度もミーティングを重ねるうちに、「こんなことをやってみたい」「あんなこともできると思う」というアイデアが沢山出てきました。

そして、様々なアイデアをどう実現していくか、細かい計画を立てていくことも、初めての挑戦となりました。実際にどんな準備が必要なのか、誰が何をするべきなのか等、なかなか想像することが難しかったようで、一つ一つを一緒に考えていく作業が必要でした。

話し合いを始めたのは昨年の半ばでしたが、このような状況から計画づくりだけでも時間がかかってしまい、一時は「実際に開催できるだろうか」と、私たちFIDRスタッフも少し心配になったこともありました。計画を進めていく途中でも、当初の予定通りにはいかず、その都度変更を余儀なくされたこともありました。それでも、少しずつ生徒たちが休み時間や週末に集まっては、練習や制作する様子を目の当たりにしたり、校長や教員らが地域の人たちに相談し、必要な楽器や用具などを調達してきたりしているのを見ると、だんだんと楽しみになってきて、私たちも、この日を待ち遠しく思うようになりました。FIDRスタッフは、開催2日前から現地入りし、会場設営や最終確認の現場にも立ち会ってきました。皆が一生懸命に準備する姿を見て、自分たちの励みにもなったようです。

*全国の学校に先駆けて栄養を含む保健の授業を導入し、学校保健活動を実践する、コンポンチャム州の4校(小学校2校、中・高等学校2校)。

~その2:アイデアも笑顔も満載!大盛況の当日~ につづく

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