北海道胆振東部地震から5年、安平町立「早来学園」が開校しました
安平町立早来学園。校庭の工事が進んでいます
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震(震源:厚真町/マグニチュード6.7)から丸5年を迎えようとする8月26日。被災地域の一つである安平町において「義務教育学校 早来学園」の開校記念式典が執り行われました。
FIDRは、胆振東部地震のあと、震源地に近く被害の大きかった厚真町、安平町、むかわ町において緊急支援を実施しました。安平町では、特に被害が大きかった早来中学校の仮設校舎へ、空調機を支援していました。この早来中学校を含め、町内の4つの小学校・中学校を統合し、2023年4月1日に開校したのが早来学園です。
現在、早来学園には、小学校1年生から中学校3年生まで約310名が通学しています。大きな特徴は、4つの学校と図書館を1つの建物に統合したこと。授業で使わない時間は、図書室、調理室、工作室を町民が使える仕組みです。少子高齢化が進む中で、旧来の施設を作り直すのではなく、町の児童・生徒だけでなく地域住民間でコミュニケーションが生まれ、「共創」のきっかけとなる場所として機能する学校を目指しての再編でした。
式典には、地元・橋本聖子参議院議員ほか、国・地方議員、企業等関係者、民間支援団体等103名が臨席しました。支援団体の一 つ として FIDRも出席し、当時緊急復興支援のためにご寄付をいただいた 山崎製パン株式会社 様より池谷 公雄 札幌工場長もご参加くださいました。
及川秀一郎町長の式辞、来賓祝辞、児童生徒代表のことば、感謝状贈呈ののち、校歌が披露されました。児童生徒会長からは「仮設校舎で過ごした先輩方が、不便な生活を創意工夫で乗り越えたフロンティアスピリットに敬意を表します」という言葉がありました。
早来学園開校までの間、被災した学校の子どもたちは様々な制限や不便に直面してきました。そのような中、FIDRの緊急援助が教育環境の改善に少しでも役立ったことを願うとともに、緊急援助における子どもたちへの支援の重要性を改めて感じた式典となりました。
当緊急援助実現を後押しくださった皆様に改めて感謝申し上げ、ここに、報告させていただきます。
式辞を述べられる及川秀一郎町長
校舎には道産の木材をふんだんに使用。町の自然や風景をイメージした配色も
図書室は幼児からシニアまで、地域の方々も利用していました