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20年間のプロジェクトをふり返って【3】 ~医療従事者の教育体制づくり~

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1996年から、カンボジアで初めて小児外科医療の立ち上げとその発展に取り組んできた「カンボジア小児外科支援プロジェクト」は、2015年度が第4フェーズの最終年度でした。20年の節目を迎え、これまでの取り組みの成果を測るため、専門家によるプロジェクト評価を行いました。その結果、カンボジアにおける小児外科の診療体制が築かれた、また、小児外科診療を行う医療従事者の教育体制を整えることができたという成果が認められました。これらの成果と課題について、3回にわたりご報告します。
3回目となる今回は、小児外科診療を行う医療従事者の教育体制を整えたことについてです。


本プロジェクトを開始した1996年は内戦終結後間もなく、カンボジアに「小児外科」を専門とする医師も、「小児外科」の医療者を育成できる人材は存在しませんでした。そこでFIDRは、10年にわたり国立小児病院(NPH)に外国人医師や看護師を派遣し、職員を直接指導することで、小児外科をリードできる人材の育成に注力しました。
今回の評価では、この間に技能を高めたNPHの医療従事者が後進を育てる仕組みをFIDRが整えたことが認められました。

2006年、FIDRは、NPH外科医が地方病院の医師を育成する「小児外科研修」を始めました。NPHの医師が講師となり、理論と実技の両面から指導するこのプログラムは、カンボジア保健省の承認のもと、国立医科大学の正式な「小児外科卒後研修」として認定されました。また、2011年には、NPH麻酔科医や麻酔看護師を講師とし、地方病院の麻酔科職員を育成する「小児麻酔研修」も開始しました。

医学の発展を外国からの支援と指導に求めてきたカンボジアにおいて、カンボジア人が講師となる両研修は画期的でした。母国語での指導という利点は言うまでもなく、子どもたちを救いたいという想い、社会的・経済的な制約の認識などを共有する、この国の人々を主体とした教育体制の始まりだったのです。

当初2年のプログラムだった「小児外科卒後研修」は、現在FIDRの支援を離れ、カンボジア保健省のもとで4年のプログラムに格上げされ実施されています。また、「小児麻酔研修」には、評判を聞いた国立病院や私立病院など、地方病院以外からの麻酔科職員の参加も増え、保健省から高く評価されています。「カンボジア人医療従事者の手で後進を育成する」体制が、着実に根付いてきました。

前回までに述べた、「カンボジアにおける小児外科診療体制の構築」という成果は、外国からの支援や特定の人材によってのみ可能なようでは、持続的とは言えません。最前線で活躍する医療者が次世代を育てることで、今よりも強力な診療体制を築いていかなければならないのです。この意味で、本プロジェクトにおけるふたつの成果は、カンボジアにおける小児外科医療発展の両輪と言えるでしょう。

FIDRは今後、地方における小児外科の診療能力の充実を図っていく予定です。カンボジアの子どもの未来のために、引き続き貢献できるよう努めていきます。

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