FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

プロジェクトの今 - コンポンチュナン州農村開発

2016年07月13日

自らの力で新たなことに挑戦する農家が現れはじめました

自らの力で新たなことに挑戦する農家が現れはじめました

「はじめは失敗の連続でした。」

そう笑いながら話すのは、2人の子どもと奥さんと暮らすソパットさん、32歳。2012年に初めてFIDRの研修に参加して以来、SRI農法や養鶏、養豚を実践し、自らの経験を他の農家にも積極的に共有して技術の普及に大いに貢献してくれている、篤農家の一人です。

そんな彼に、驚かされた出来事がありました。
なんと鶏卵用の孵卵器を自ら設計・製作したのです!

「鶏卵の人工ふ化をやっている人は村には誰もいませんでした。みんな自然にふ化させるか、市場まで出かけて生まれたひよこを買ってくるしかなかったんです。なので、もし僕がこの村で一度にたくさんの鶏卵を人工ふ化させることができれば、そこにビジネスチャンスがきっとある、と思いました。」

人工ふ化への挑戦を決めたソパットさんは、一昨年、FIDRが行った視察研修に参加し、隣の郡の農家で人工ふ化の様子を見学しました。そして昨年は、農家からの強い要望に基づきFIDRが実施した人工ふ化についての技術研修において、鶏卵のふ化の仕組みを学びました。

そうしていざ孵卵器をつくってみようと作業を開始したソパットさん。はじめの頃は内部の温度・湿度調節が難しく、失敗ばかりでした。半数以上の卵がふ化しないこともありました。そんな彼をFIDRは励まし続けました。

ソパットさんはくじけず卵を観察し続け、温度調節方法など改良に改良を重ね、1年かけてようやく孵卵器を完成させました。

現在ソパットさんは、この孵卵器により毎月計200羽ほどの雛をかえして村人に販売し、月額約200ドルの収入を手にすることができるようになりました。また、彼の設計・製作した孵卵器は地域でも評判を呼び、月に数件の製作注文が入るまでになり、一台につき約150?350ドルで販売しています。

農家の人々が、自らの力でより良い生活を作りだせるようになること。その目標にむかって後押しを行ってきた私たちにとって、彼の努力は大きな希望です。

「何度失敗しても諦めなかったのは、そこに家族とコミュニティーの生活をより良くするチャンスがあると思ったから。」
そう話してくれた彼に、私たちスタッフは大いに勇気づけられたのでした。

2016年02月16日

子どもたちの健やかな成長を、地域でサポートしていくために

子どもたちの健やかな成長を、地域でサポートしていくために

5歳未満児の栄養不良率の高い当プロジェクト地域では、乳幼児を持つ母親を対象とした補完食*の調理指導や子どもの身体測定の実施など、栄養に関する知識や意識の向上を目指した活動を行っています。
そして通常の研修やワークショップに加え、時には直接家庭に足を運び、子どもの栄養状態の確認を行うことがあります。

昨年末のある日、FIDRスタッフと保健ボランティアが体重計を携え、ある一軒の家を訪問しました。
その家では、昨年5月の身体測定により低栄養であると確認された子どもが、工場に働きに出ている母親の代わりに日頃面倒を見ている祖母と一緒に待っていました。

まずは子どもの食事状況について祖母に話を聞いてみました。すると「5月の身体測定で低栄養であると説明を受けて以降、補完食の調理頻度を増やしたが、子どもは残してしまうことが多く、なかなか身体の大きくならない孫を家族一同心配している」と困った様子で話してくれました。再度行った体重測定の結果でも、やはり大きな変化は見られませんでした。

そこでFIDRスタッフと保健ボランティアは、まずは子どもが食欲をそそられ飽きずに完食できるような補完食作りを目指すことを提案し、毎日違うレシピで調理することや、味付けを濃くしすぎないこと、また時にはにんじんや卵を使って見た目も色鮮やかになるよう調理するなどのアドバイスを行いました。そして、また様子を見にくることを約束しました。

FIDRでは,こうした低栄養児をもつ家庭を今後コミュニティとしてサポートする体制をつくっていこうと、保健ボランティアや保健センター職員たちと定期的に情報共有の場を設け、各村の子ども一人ひとりの栄養状態を確認・共有しています。そして今後は、上記のような家庭訪問も、各村の保健ボランティアたちが中心となって行っていく予定です。

村の子どもたちが健やかに成長していけるよう、お互いを支えあえるコミュニティづくりを目指して引き続き活動していきます。


*生後6ヶ月から2歳までの乳幼児に、母乳だけでは不足しがちな栄養分を補うために与える具入りのお粥。乳幼児の栄養不良の改善に役立つとして、カンボジア保健省の主導のもと全国に広まっています。

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