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「水筒、持ってきた?」 コンポンレーンのリデュース・リユース運動!

FIDRのプロジェクト地、コンポンチュナン州コンポンレーン郡。トンレサップ川という大きな川に面しており、人々の暮らしはこの川と共にあります。雨季になると、川の水位が上昇し、広い範囲の土地が冠水します。

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トンレサップ川のそばにある家々

集落を訪れると、ビニール袋、プラスチック容器、ペットボトルなどの廃棄物が、あちらこちらに放置されている光景が目に入ります。家庭から出るごみも、庭先や道端に放置したり、地面に埋めたり、燃やしたり、川に捨てたりしています。

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トンレサップ川に浮かぶプラスチックごみ

雨季になると、ごみは高床式の家から水面に投棄。とりあえず目の前から消えてしまえば良いというだけの対処です。

ところが乾季になるとこうしたごみは水が引いた地表に取り残され、乾季に投棄されたごみとあわせて、やがて泥のなかに埋もれていきます。それが毎年繰り返され、何層にも積み重なってしまいます。

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乾季の高床式住居。家屋の周りには、雨季に投げ捨てられ、水面に浮遊していた大量のプラスチックごみがあらわに

こうしたごみは、もはや生活風景の一部。現地の人々は、さほど大きな問題として意識していませんでした。たしかに、まだごみが山のようになっているわけではなく、悪臭を引き起こしたり、有害物質が流れ出したりしているわけでもありません。ですが、実害がないからといって、放置はできません。自然のなかに蓄積されていくプラスチックなどが、時間をかけて環境に影響を及ぼし、住民の健康を脅かす危険性があるからです。

FIDRは、コンポンレーン郡農村開発プロジェクトの一環として子どもの健康増進に取り組んでいます。家庭や地域の衛生環境を整備することは、身の回りを清潔に保ち、子どもたちの健康を守るために欠かせません。住民がごみの問題を自分事として捉え、その解決に向けて主体的に取り組めるかが問われています。

 

  FIDRは、「ごみ問題」をプロジェクトの重要なテーマの一つと考え、地元行政や住民と手を取り合い、学校の生徒を中心にごみ拾い運動を進めたり、プラスチック等の不燃ごみに関する意識啓発を行ったり、公衆ごみ箱の設置を呼びかけたりと、さまざまな取り組みを行ってきました。

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ごみ拾い運動は学校の生徒や住民の皆さんが中心

その中で直面したのは、「ごみを集めても、持っていく最終的な処理場がない」という根本的な問題です。この地域には、ごみ収集・処理のシステムが整備されていないため、ごみの総量を減らす、という工夫が求められます。

そこでFIDRは、地域の人々が日々の生活のなかで実践できる行動に注目し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)運動の展開にも力を入れ始めました。特に、プラスチックの使用を減らすリデュース(Reduce)と、繰り返し使うリユース(Reuse)の普及に重点を置き、収集・処理システムがない環境でも衛生改善や意識向上につながる仕組みづくりを進めています。

具体的には、住民の意識・行動の変容を後押しする2つの取り組みをしています。

 

  • 1. まずは私たちFIDRが一番のお手本に

FIDRのスタッフ自身が、リデュース・リユース活動のお手本になるような行動を心がけています。自分が出したごみは自分が持ち帰えるのはもちろんのこと、村を訪れるときはお弁当箱と水筒を持参。できるだけ村の中にごみを出さない努力をしています。

 

2.日々の小さな積み重ねを大切に

住民には、生活の中で取り組みやすい行動から始めてもらっています。たとえば、プロジェクトによる研修や会合に参加する時には水筒やコップの持参を呼びかけたり、買い物の際には容器や袋を持参し、なるべくレジ袋を受け取らないよう促したりしています。

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自分の水筒やコップを持参する住民の皆さん

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マイバッグならぬ、「マイ容器」や「マイかご」持参で買物をする住民の皆さん

学校では、先生たちの発案により、「ノープラスチック・キャンペーン」がスタートしました。生徒たちは、水筒や自分の容器を持参し、スナックや飲み物を買う際にも使い捨ての袋をできる限り使わないようにしています。また学校内でのごみのポイ捨て禁止、自分のごみは自分で持ち帰る、というルールも導入されました。

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学校ではペットボトルの代わりに自宅から持参したカップ を使っています

こうした取り組みの結果、リデュース・リユースの実践が、住民や学校の先生、生徒の日常に少しずつ根づいています。ビニール袋も使い捨てせず繰り返し使う家庭が増え、また学校でも「ノープラスチック・キャンペーン」が継続され、子どもたち自身が行動の変化を実感しています。

 

このようにコンポンレーン郡の住民は、衛生環境の改善に向けて前進しています。プラスチックごみに対する意識が変わり、ごみへの責任ある行動が習慣化されることで、ごみ収集・処理のシステムが整備されていない場所でも、改善は可能であることを示しています。

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