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カンボジアで初めて、自国の食事摂取基準に基づく病院給食の献立づくりが始まりました

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献立・調理法の改善点を洗い出す話し合いをするFIDRスタッフ(右奥)と調理員(左側)、栄養科の医師(手前)

2014年から取り組んでいた食事摂取基準の策定は、栄養教育普及事業のページでご紹介しています通り、様々なプロセスを経て完成し、2017年11月に保健省に認定されました。

(食事摂取基準を策定する活動は、2017年4月以降、カンボジア栄養教育普及プロジェクトに引き継がれました)

当プロジェクトで策定したカンボジア初の食事摂取基準(推奨栄養所要量)は、私たちが健康的な生活を送るために必要な、一日当たりのエネルギー量と各栄養素の推奨摂取量を示すものです。日本では、国民健康・栄養調査の結果をもとに、厚生労働省が日本人の食事摂取基準を5年に一度改訂しています。学校や病院給食では、その推奨量をできるだけ満たすことができるよう、栄養士や管理栄養士が日々工夫して献立を組み立てています。

国立小児病院(以下、「NPH」)で給食支援プロジェクトを始めた際、日本から派遣した管理栄養士が直面した問題が「カンボジアには食事摂取基準がない!」ということでした。そこで当時は、アセアン諸国の基準をもとに給食の献立を作り、現在に至ります。晴れてカンボジア独自の食事摂取基準ができたため、いよいよ、それに基づく給食の献立作りが始まりました。

NPHで給食の献立が確立してから数年が経ち、そろそろ改善するタイミングにも来ています。「NPHでは、ちゃんと給食がでるし、おいしい」という声がある一方、せっかくの給食もあまり食べられないという患者さんもいます。毎日給食を配膳し、患者や親御さんと接する調理員からは、幼い患者でも食べやすいよう、調理の仕方、味付けや材料を変える必要性など、いくつかの改善提案が上がっています。それらの点を改善することも含め、NPH栄養科は、献立改定に取り組み始めました。

まずは患者の付き添いで来ている親御さんたちに、給食の満足度について聞き取り調査をし、「食べる側」の声を集めました。今後は、課題を解決するためのアイディアを、まずは調理員から提案してもらい、それを元に試作品を調理しつつ栄養価計算をして材料の量を調節するという作業を進めていきます。「献立改定」と言うのは簡単ですが、新しい献立が最終決定するまでは、何度も試作し、栄養価を満たしつつ予算内に収まる献立を見つけるという長い道のりです。

私たちが、これまで当たり前のように食べていた学校給食や病院食も、実は背後でこんな多くの作業や配慮がなされていることを、プロジェクトを通じて改めて感じています。しかしこの大変な作業も、子どもたちへ、より良い給食を提供することに貢献できるのであれば、とても意義のある努力と言えるでしょう。