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カンボジア初、国立病院での栄養管理の幕開け

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『栄養管理セミナー2016』開会式後の集合写真

3月7日、FIDRは、カンボジア国立小児病院(以下「NPH」)とともに『栄養管理セミナー2016』を実施しました。本セミナーには、NPHの医師・看護師のほか、カンボジアの栄養政策を決定する保健省次官、国家栄養プログラム室長、さらに本プロジェクトに関わるさまざまな機関から総勢約70名が参加しました。

NPHでは、2014年からFIDRの支援のもと、カンボジアの国立病院で初めて、治療の一環として栄養面から患者をケアし栄養状態を改善する「栄養管理」の導入を進めてきました。現在は、外来病棟で身体測定により低栄養児をスクリーニングした後、各入院病棟で低栄養児および栄養指導が必要な患者に対して医師が栄養ケアプランを作り、それに基づき子どもたちひとり一人に合わせた食事指導や給食の提供を行っています。

本セミナーでは、NPHで実施されている栄養管理の現状と症例の発表や、『小児患者栄養管理マニュアル』の発表を行いました。当マニュアルは、栄養管理を概論し、NPHにおける栄養管理システムをその事例として紹介するもので、カンボジア初の栄養管理の教科書とも呼べるものです。FIDRとNPHの医師が共同で作成しました。また、日本の近畿大学医学部奈良病院から子どもの栄養管理に精通された小児外科医師2名もセミナーに招き、日本の小児栄養管理についてご紹介いただきました。

セミナーでは、発表内容を受けて、NPHの医師たちがお互いの栄養管理の症例について議論したり、近大奈良病院小児外科部長の米倉竹夫医師に、日本における小児栄養管理について積極的に質問したりしました。また、普段は自分の担当病棟の疾病に関連する栄養管理の経験しかないNPHの医師や看護師たちが、改めて自分たちの病院の栄養管理システムの全体像を確認したり、他の病棟の栄養管理を知る良い機会となりました。

活発な質疑応答が飛び交い、参加者からも「学びが多かった」と好評を得た今回のセミナーは「カンボジア初となる、カンボジア人による栄養管理」の幕開けが感じられるものになりました。

今後NPHでは、栄養管理システム定着に向けた礎ともいえる『小児患者栄養管理マニュアル』を基礎として、小児患者への栄養管理が実施されていく予定です。FIDRも今回のセミナーをひとつの節目とし、新しい気持ちで本プロジェクト終年度へと向かっていきます。

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病院での栄養ケアについて議論を交わすNPH医師たち

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発表中の近大奈良病院の米倉医師(左)と通訳を行ったFIDRカンニャ職員(右)