FIDR(ファイダー)は、開発途上国の子どもたちの支援と緊急援助を行う、国際協力NGOです。

プロジェクトの今 - カンボジア小児外科支援

2017年09月08日

新規フェーズの開始セレモニーが地元メディアで取り上げられました

新規フェーズの開始セレモニーが地元メディアで取り上げられました

8月、小児外科支援プロジェクトがクラチェ州に事業展開されることを記念する開始セレモニーの模様が現地メディアに取り上げられました。

2017年8月10日付 KOH SANTEPHEAP DAILYより

(以下日本語訳)
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■『重い病気を患うカンボジア北東部の子どもたちに、救いの手』

これまでクラチェ州など北東部エリアでは、重い病気を患う子どもの患者は首都プノンペンの病院で治療を受けなければならなかった。しかしこれからは、クラチェ州病院の外科・手術部スタッフ(医師や看護師)によって適切な小児外科手術を受けられ、救われるようになるだろう。

クラチェ州保健局のチュニアン・ソヴァター局長によれば、州内の子どもたちで呼吸器や腹部などに重い病気を持つ患者は、手術を受けるためにプノンペンにある様々な病院を受診しなければならない現状がある。救急患者の場合、長時間の搬送に耐えねばならない子どもの患者は、助かる望みをとても小さく感じてしまう。さらに救急車での搬送には高額な利用料がかかるため、貧困層の患者家族は高次病院への搬送を希望せず、時に命に関わる事態に陥ることもある。

しかし今後は、FIDRの支援を通じて州病院の外科・手術部スタッフが知識を身につけ、専門技術の経験を積むことで、同州などカンボジア北東部の子どもたちはレベルアップした州病院で手術を受けられることができ、救われるようになる。小児外科手術が円滑に行われるよう機材も整えられる。2017年8月7日午前に州保健局にて行われた、FIDR小児外科支援事業開始の式典において、チュニアン・ソヴァター局長はこのように語った。

更に、「FIDRからの支援により、州病院はプノンペンの国立小児病院と協力関係を結び、国立小児病院が持つ外科手術の専門性や経験を学ぶこととなる。これにより、州病院のスタッフが重症の小児患者も迅速に治療して救うことができる可能性が増し、クラチェ州など北東部エリアの子どもたちを救うことができるだろう。」と期待している。 局長は「FIDRによる州病院や保健センターへの支援によって、クラチェ州の医療スタッフは保健分野の実務経験を更に積むことができる」とし、「迅速に搬送できる体制が整い、州病院のスタッフによる診療が可能となった暁には、子どもたちを病院に連れてきて受診するよう保護者へ呼びかけたい」と述べた。

写真(右から)
Dr. ニェップ・オンキアボッ(国立小児病院長)
Dr. チュニアン・ソヴァター(クラチェ州保健局長)
Dr. キン・ホン(クラチェ州病院長)
岡田逸朗(FIDR事務局長)
岡松孝男医師(FIDR理事)
南ショイマン由美子(FIDRカンボジア事務所長)
石井智浩医師(FIDRカンボジア小児外科支援事業アドバイザー)
佐伯風土(FIDRカンボジア小児外科支援事業プロジェクト・マネージャー)

2017年09月05日

クラチェ州で新規フェーズの開始セレモニーを開催しました

クラチェ州で新規フェーズの開始セレモニーを開催しました

1996年より20年に渡り国立小児病院(NPH)で実施してきた小児外科支援プロジェクトが、今年度よりカンボジア北東部のクラチェ州で事業展開されることを記念し、8月7日、新規フェーズの開始セレモニーを開催しました。日本からは長年本事業に携わってこられたFIDR岡松理事と石井医師、FIDR岡田事務局長が参加した他、NPH院長、クラチェ州の保健局長、病院院長、各地の保健センター長、そしてプロジェクトの主役となるクラチェ州病院の職員など総勢約100名が参加しました。

岡松理事からは「途上国では外科手術へのアクセスが限られている地域が未だに多い。アクセスに問題がなく、手術を必要とする患者が適切な治療を受けられることで子どもの命が救われる」など、FIDRがこれまでNPHで外科医の卒後研修を支援してきた意義が紹介されました。

州保健局長からは「FIDRの支援で州内の救急搬送システムが強化されるため、先ずは子どもを病院へ連れてきて受診させるよう、小児患者の保護者に呼びかけていきたい」とコメントがありました。

最後に、カンボジア保健省・クラチェ州病院・FIDRの三者の名が刻まれたプレートが岡田事務局長から披露されました。

クラチェ州病院が強固なパートナーシップでカンボジア北東部の拠点となるように、同病院を中心とした医療システムを築き上げ、多くの子どもたちが地元で医療を受けられる体制の早期実現を目指していきます。

2017年03月13日 更新担当者:佐伯

新たなフィールドへ

新たなフィールドへ

2017年4月、FIDRに新たな活動拠点が生まれます!
カンボジア東部、メコン川流域に位置する「クラチェ」という州です。

クラチェ州は、プノンペンから車で6時間ほどのところにあります。
世界的に減少している「カワイルカ」が生息するエリアで、観光地としても人気があります。道中、田園風景を眺めながら国道をスイスイ走り抜けたり、日本政府の支援によってメコン川に架けられた「きずな橋」を渡ったり、未舗装で砂が舞うでこぼこ道を通ったりしながら向かいます。

通常、朝6時にプノンペンを出発して、お昼過ぎには州都に到着します。その中心にあるクラチェ州病院 (Kratie Provincial Referral Hospital)が、FIDRの小児外科支援プロジェクトの新たな舞台です。

この病院は州内で最も大きな総合病院で、他の病院からの搬送患者も受け入れています。カンボジア北東部地域の中心に位置しており、将来的には隣接する他州からの搬送患者を受け入れるような地域の基幹病院になる可能性も秘めています。

FIDRではこれまで20年間にわたり、首都プノンペンにある国立小児病院を拠点として小児外科疾患の子どもたちが適切な診断や治療を受けられるよう支援を続けてきました。過去の内戦により人材も医療設備も失い、小児外科という医療分野すら確立していなかったプロジェクト開始当初以来、外科医・麻酔医や看護師の人材育成や施設の建設・拡充など、FIDRは病院側とともに根気強く歩んできました。その結果、同病院は今や小児外科の実践と教育の両面において国内トップレベルの医療機関となっています。

その医師や看護師たちは、自らの技術を他の医療者へと伝えるべき貴重な存在となっています。医療技術が、カンボジア人からカンボジア人へと継承されるべき時代に来ているのです。

2017年、FIDRは新たな挑戦として、国立小児病院に蓄積された知見や経験を地方医療の発展へと繋げ、州レベルでも十分な小児外科治療を受けられる体制作りを目指し、5年間のプロジェクトを開始します。拠点はクラチェ州病院ですが、技術移転の主な担い手は国立小児病院の医療従事者の皆さんです。

長い道のりになることが予想されますが、国立小児病院、クラチェ州内のあらゆる病院、保健行政機関、そして日本の専門家の皆様のお力も借りながら、子どもたちへ適切な医療サービスを届けるべく着実に歩んでいきます。


【プロジェクトチームの紹介】
FIDRカンボジア事務所でこれから始まる新プロジェクトを担い、構想を練りながら準備を進めてきた小児外科支援チームの3名に、プロジェクトへの思いを語ってもらいました!
● チア・ソパル(プロジェクト・マネージャー)


● ダオク・ブンソヴァン(プロジェクト・コーディネーター)


● プロム・ティニー(シニア・プロジェクト・ファシリテーター)

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